青森・原子の旅~12億倍分子模型の公園と六ヶ所村の霧箱を見る

Tag: K1 青森 霧箱 分子模型 六ヶ所村 みどりの大地とロマンの森公園

 夏の青森の旅。今日は「原子巡り」です。
 これは12億倍の分子模型です。
「みどりの大地とロマンの森公園」の一角に並ぶ分子模型達。
この公園には「かがくじっけん出前屋」を主催している,青森県在住の萠出宏さん監修の科学実験遊具があります。
 科学教育界では知る人ぞ知る公園。ようやく訪問できました。



 目に見えない小さな原子も,12億倍に拡大するとこんなに大きくなるんですね。
 この公園は青い森鉄道の乙供(おっとも)駅の近くにあります。(地図はページの下の方にあります)



2018/08/20 09:59:23
PENTAX K1,ISO200,1/200s
CarlZeiss Distagon25mmZK,F8.0

 これはエタノール。お酒や消毒用のアルコールです。化学式ではC2H 5OH。通称。この模型では水素原子Hが白,酸素原子Oが赤,炭素原子Cが黒の色分けです。

 そしてエタノールを飲み過ぎるとこれができます。アセトアルデヒド。二日酔いの分子です。エタノールが肝臓で酸化されてできます。化学式はCH3CHO

 そしてエタノールをさらに酸化させるとできるのが,この酢酸。食酢の分子です。エタノールを酢酸菌で発酵させると,酢になります。化学式はCH3COOH

 これはお酒(エタノール)の系列とは違う分子。アクリロニトリル。青い原子は窒素Nです。化学式はC2H3CN。アクリル繊維や接着剤などの原料。




 一番乗り易そうなアルデヒドに乗りました!カバの体重ではバネが折れそう~~(^o^)



 これはエジソンのメガホン。メガホンは難聴者の補聴器の役目と,遠くに音を伝える目的で,1878年にエジソンが発明したものだそうです。向こう(↓のところ)とこっちでお話しできます。






お~い。



なんだかんだで1時間も遊んでしまいました。



 萠出さんによると,この分子模型はバネが老朽化しているので撤去の話が出ているそうです。これを見るならお早めに。
 ただ,撤去後はバネではなくて固定式にすることも考えているそうなので,存続できる可能性もあります。たのしい公園なので,ぜひなくさないでほしいです。
 ここには他に「からくり噴水」(今回は動いていませんでした)と「水琴窟」があります。


 次の目的地は六ヶ所村です。原子力発電所の燃料再処理施設がある村。関連する研究所もいくつか設置されています。今回の目的は「六カ所原燃PR センター」にある「霧箱」です。


 六ヶ所村に入るとたくさんの風車とソーラパネルがありました。



 エネワン・ソーラーパーク六ヶ所村。
展望台が作られていました。



 そしてPRセンター到着。



 上の階では再処理工場の景色が見えました。



 そしてお目当ての霧箱です。12億倍の世界から一転して,「原子より小さな粒」を見ることができます。



 自然放射線がよく見えました。時々長い宇宙線の筋も見えます。(動画20秒)

 この霧箱はなんだか東海村のものと作りが似ています。ひょっとしたら東海村の霧箱を作った人がこれも作ったのではないかと思いました。


 こうした科学啓蒙施設に来るといつも思うのですが、見せ方がつまらないことが多いのです。これは科学教育の専門家がタッチしていないことが原因ではないかと思います。ある科学的概念を、誰にも楽しく、わかるように提示するのは、実は簡単ではないのです。それには「考えるに値する問題」と「考えるに値する選択肢」が不可欠です。しかし、それは最も難しいことなのだということが、プロの科学者にさえ理解されていないことが多いのです。そこには私たち仮説実験授業研究会のように、科学教育を専門的に研究してきた専門家の援助が欠かせません。科学館は「伝える」という意味では「教育活動」の一つです。日本ではまだまだ教育の高度な専門性が認められていないことを残念に思います。この霧箱も「私ならこんなふうに問いかけるのに」と思うものがありました。


 こうして「原子の旅」を終えたので,近くのショッピングセンター「ショッピングモール・リーブ」にある「食事処 松本屋」でランチです。

 ショッピングセンターにも電気と原子力関係の展示があってびっくり。奥は普通のスーパーです。
 ここでは原子力施設への啓蒙活動が徹底されているようです。しかし、ここでも科学教育の専門的視点では「せっかくの素材をなんてつまらない見せ方をしているんだろう」と、もったいなく思うのでした。
 原子力関連というと、それだけで色眼鏡で見られてしまう日本社会です。そうならば、いっそう「たのしく伝える」ための科学教育の専門的研究が重要だと思うのですが、どうでしょうか。


 ここのスーパーでは珍味のホヤが1個98円と格安です。
 安いけど,これを自分でさばくのはちょっと無理~~。
 料理してくれたものを食べるのは平気なんですけどね。



 今日は下北半島の根元を回りました。

みどりの大地とロマンの森公園
エネワン・ソーラーパーク六ヶ所村
六カ所原燃PRセンター
ショッピングモール・リーブ

・今回の分子模型のもとになった本です。誰でもスチロール球で簡単に作れますよ。(仮説社発行、Amazonリンクです)




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コメント

  • 作りました

    新潟県立自然科学館で、長岡高専がやったイベントにて、発泡スチロールの球を使って、手のひらサイズのエタノール分子を作らせてもらいました。
    作ったと言っても、球のカット、着色はすでに行われてまして、接着剤で貼り付けるだけ。
    見た目も色も、これとそっくりです。
    でも、手のひらサイズなので、1億倍くらいかな?


  • 1億倍ですね

    1億倍で作るのが一般的です。というのも発泡スチロール実体積分子模型作りの発祥は私の属する仮説実験授業研究会だからです。そのとき水素原子を約2cmにしたのが始まり。1億倍模型の体積には,ほぼ1molの分子が入る大きさです。(1mol=1億の3乗)。つまり本物の分子を1molあつめると分子模型の大きさにもなってるという関係。重さはぜんぜん足りませんけどね。重さも1mok分にするには鉛玉を仕込んだりして,かなりずっしりさせなければなりません。それはそれでおもしろいです。


  • 測ってみました

    なるほど、計ってみましたら水素原子が2.5cmくらいなので、1億倍よりちょいと大きいかも。
    鉛など仕込んでなく、そのまま発泡スチロールなので、重さはかなり軽いです。


  • 大雑把で十分ですね

    2.5センチでも1億倍で良いのです。もともとスチロール球の寸法に制約されてますから。こういう模型は厳密さよりイメージが大事。1億の3乗=1molだって大雑把ですから。でもこういう基本の量的イメージが科学入門教育には大事です。
     重さも1億倍の模型を持ったことがありますが,水素分子の2gに対して二酸化炭素分子の44gはかなりずっしり感がありました。原子って意外に重いってイメージです。でも中身はスカスカなんだから不思議です。


  • 化学の先生は否定してた

    イメージが大事だと思うけど、前に勤めてた学校の化学の先生は分子模型やモル敷を見せたら鼻で笑われて無視されたんだよな~ものすごく詳しい説明されてこんなのなんだ!って感じで。楽しくない化学の授業で受験だけに注目してる人だった。


  • その方は3流科学者です

    その方は化学の専門家であっても,科学教育の専門家ではないのです。2つの専門性は同じではないという認識が科学者にも欠けてます。その人は多分3流です。ホントの一流の科学者にはその点もしっかりしてる人が多くて,おもしろい啓蒙書を書いている人もいます。私が持っている例ではワインバーグとかシュレディンガーとかポーリグとか,ファインマンとか。アインシュタインの初期論文も新しい主張をしようという目的がはっきりしていて,教育的にも良い論文が多いです。


  • 原子核を感じる重さ

    「スカスカだから不思議」というか、1億倍モル質量模型は、原子核を感じさせてくれる、と私は最初手にしたとき感動しました。その持ち重みの実感から、この世の物の重みはほとんどまったく原子核の重み、の脳ミソの手応え?の得られる、続《もし原》=《もしも原子核》に出来ないかなぁとあれこれしつつ未完。



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