雷で発生するガンマ線を観測してみました
雷の放電では電磁波が発生し、それがラジオなどの雑音になっています。(最近はアナログAM放送が少なくなっているので、デジタルテレビやFMでは、雷ノイズに強いので、雷でも雑音が入りにくいです)
しかし「雷とともにガンマ線も発生している」という話は、友人から聞いて最近知りました。
この現象は「ガンマ線フラッシュ」というものです。
通常、ガンマ線などの放射線は原子核で生じる現象で、静電気現象である雷は原子核は関係ないので、どういう仕組みなのだろうと思いました。
この研究をしている東京大学のチームのウェブサイトによると、
「地球ガンマ線フラッシュは数百マイクロ秒という極めて短い時間に電子を加速させることで、大量のガンマ線を発生させる現象です。」
とあり、電子の加速で発生するもののようです。雷は一種の粒子加速器なんですね。
(出典はこちらのリンクを参照:雷がもたらす強力なガンマ線フラッシュ地上での放射線量の測定に初めて成功)
今週は私の住む静岡県西部で雷雨があったので、放射線を測定して、通常時と違いが出るかを実験してみました。
測定器はGC-10というGM管タイプのもので、ガンマ線以外の放射線も計測しています。数字自体はもともとやや高めに出るので、「放射線の多い・少ないだけ見ている」と考えてください。結果表示がリアルタイムなので、このような短時間で変化する現象の観測に向いているので使いました。
2022年7月26日朝の発雷時の観測結果。
ウェザーニューズの雷情報ではこのように多数の落雷がありました。
×は私の住んでいるところです。市内では落雷による火災もニュースになっていました。
そしてこれが放射線測定結果です。リアルタイムで見ていて、近所で稲光や雷鳴、落雷があったとき、すぐに放射線のピークが現れました。見事なくらい対応していて、とてもわかりやすい結果でした。
2022年7月28日の雷雨がないときの観測結果
この日は朝から安定した大気で、周辺都府県にも落雷が無い状況でした。
このときの放射線観測結果です。
発雷時よりも全体的に放射線のレベルが低くなっています。
この測定器ではこの数字は平常時のものです。
まとめ
私はこの日以外にも過去に何度か雷が鳴ってるときに同様の観測をやっています。今回のデータはちょうど私の住んでいるところで激しい雷雨があり、結果が明確なので紹介しました。
他の発雷時は継続時間が短かったり、弱い雷だったりして、これほど明確な雷ではなかったのですが、それでも放射線のピークが高くなる傾向が見られていました。
観測例が少ないので、これで専門的に何かはいえないでしょうけど、「雷と放射線は関係ありそうだ」と思える実験結果でした。
今後も機会があればこのような観測をやってみようと思います。
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一部で話題の水素核凝縮炉?。常温核融合現象
近々実用化されると云う水素ボイラーは常温核融合現象だとすると説があります。核融合なのに中性子や放射線等が全く?。発生しないとされますので実際の観測デーがどうなっているのか興味深いですね。