夕空で明るくなった紫金山-アトラス彗星

Tag: K1Ⅱ 彗星 星景 紫金山アトラス彗星 C/2023 A3 山住峠 越前海岸 蔵王山展望台

紫金山-アトラス彗星は10月初めには朝に見えていましたが、太陽の反対側に回って10月12日頃から夕空に見えるようになるという予報で出動しました。

2024年10月12日

12日は地球からはまだ太陽の近くに見えるので、日没後の低空に見えるはずです。ただ、この段階では彗星がどの程度の明るさで見えるかは何とも言えない状況でした。朝見た時は「小さいなあ」という結果だったので、前評判通りに明るくなるかは何とも言えないと思っていました。彗星の見え方の予想は難しいので、これまでもしばしば予想を外してきたのも事実です。
でも、「観測しなきゃ分からない」ということで、西の低空の見晴らしの良い場所として、標高約260mの愛知県田原市の蔵王山展望台に来ました。ここからは三河湾をはさんで対岸の三重県が見えます。
日没と共に、カメラでありそうなところを写しては、存在を確認します。
暗くなると、ぼーっとした星が写りました。これは彗星に違いない!ということで姿をとらえることができました。

10月12日
2024/10/12 18:12:53
PENTAX K-1 Mark II
HD PENTAX-D FA* 85mm F1.4 ED SDM AW
ISO400, F1.4, 0.8秒。

扇形に拡がるダストの尾が見えました。この日はまだ太陽に近い低空だったので肉眼では見えず、双眼鏡で明るい頭部と短い尾が見えました。

2024年10月13日

彗星がしっかり明るくなっていることが分かったのですが、あいにく私の住むところは天気が良くない予報だったので、ちょうど3連休だったのを利用して、晴れそうな場所に遠征することにしました。
選んだのは福井県の越前海岸にある「弁慶の洗濯板」と呼ばれる場所です。西に向かって日本海が拡がります。
弁慶の洗濯板

日本海に沈む夕日。
弁慶の洗濯板

暗くなると彗星が見えてきました。
10月13日
2024/10/13 18:03:33
PENTAX K-1 Mark II
HD PENTAX-D FA* 85mm F1.4 ED SDM AW
ISO400、F2.0、1/10秒。

前日より横から見るような位置になったのでダストの尾が長く見えました。それにしても人工衛星が多い!
10月13日
2024/10/13 18:27:16
PENTAX K-1 Mark II
HD PENTAX-D FA* 85mm F1.4 ED SDM AW
ISO800, F1.4, 2秒。

周囲には彗星見物の人達がいましたが、肉眼でもはっきり彗星の姿を見ることができました。私が尾のある彗星を肉眼ではっきり見たのは、1997年3月のヘールボップ彗星以来でした。
10月13日
2024/10/13 18:22:27
HD PENTAX-D FA* 85mm F1.4 ED SDM AW
ISO800, F1.4, 11枚コンポジット合計22秒。

沈み行く彗星を見送りました。
10月13日
2024/10/13 18:40:54
HD PENTAX-D FA* 50mm F1.4 SDM AW
ISO800、F2.0、3秒。

2024年10月14日

3日目は静岡県水窪町の山住峠で見ました。この日は空がかすんでたので標高1000mの高さで少しでも澄んだ暗い空で見ることにしました。
夕方現場に着くとパトカーが止まっていて、お巡りさんと数人の人がいました。何か事件かと驚きましたが、「熊のパトロール」ということでした。山住峠は浜松市の中心市街地から車で2時間の山奥です。こんな場所でも、こういう天文イベントがあると人が来るので、クマの監視と注意喚起ということでした。この場所は昔から何度も利用してますが、近年は熊の危険もあって、気軽に行けなくなってしまいました。
ということで、2人のお巡りさんと3人の天文マニアで観測です。
双眼鏡をお巡りさんに貸して見てもらいました。
10月14日
2024/10/14 18:14:28
PENTAX K-1 Mark II
HD PENTAX-D FA* 50mm F1.4 SDM AW
ISO800, F1.6, 2秒×9枚コンポジット。

前日より尾が細長くなり、肉眼でも長い尾が見えました。

20241014_50mm×15_303to317unti tails
アンチテイルを強調してみました。アンチテイルとは彗星核から尾と反対方向に伸びるものです。アンチテイルは、ちょうど地球が彗星の軌道面を横切ると、以前まき散らしたダストが光って見えるもので、核から尾と反対向きに噴き出したものではありません。

だんだん沈んでいく彗星。低空でも明るくよく見えました。
10月14日
2024/10/14 18:36:22
PENTAX K-1 Mark II
HD PENTAX-D FA* 50mm F1.4 SDM AW
ISO800, F1.6, 2秒×12枚コンポジット。

今後はだんだん高度があがり見やすくなりますが、地球から徐々に離れていくので暗くなっていきます。どんな変化を見せるか楽しみです。
ということで「後半に続く」

参考文献

Wikipediaより、
Anti-tail
紫金山天文台
小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)

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