乗鞍高原で夏の天の川と火星大接近
3連休に乗鞍高原で天の川撮影です。老舗SNS「mixi」の「星空・星景撮影倶楽部コミュ」の「乗鞍高原撮影合宿2018」に参加しました。今回の参加者はカメラマニアに混じって,主催者のSMJ-GNRLさんが指導している,高校の写真部の生徒達も参加。総勢60名の大きなイベントになりました。
2018/07/14 21:24:59
PENTAX K-1,ISO1600,70秒
smc PENTAX-A Fish-eye 16mm,F2.8開放。
TOAST Proで自動追尾。
今年は梅雨明けが早く,7月初めから連日猛暑の晴天となりました。さすがに高原でも昼間は結構暑かったです。でもおかげで素晴らしい天の川が見えました。
宿から少し登ったスキー場の駐車場が観測地。
夕食後に出発すると,すでに先客がたくさんいて,天体観測の人気の場所なようすでした。乗鞍岳の方向に金星が沈んでいきました。
そして薄明が終わるにつれて天の川が姿を現してきました。日中の強烈な日射による上昇気流で生じた雲が,まだかなり残っています。
薄明が終わって9時頃になると,雲も少なくなって,素晴らしく明るくなった火星が昇ってきました。
この日の夜の演者達がもれなく写りました。右上の木星からアンタレス,土星,中央下の火星までの黄道沿いの一等星と惑星。さそり座といて座。夏の大三角。東から立ち上がってきた濃い天の川。
「日暮れとともに東から昇る火星はいつも明るい」これはコペルニクスが「地球中心説では説明できない矛盾」として「太陽中心説」に導いた決定的観測事実です。
火星は太陽と反対方向に見える(日が暮れると昇る)ときは明るく,太陽と同じ方向に見える(日没後に西の空に沈んでいく)ときは暗いのです。コペルニクスは火星の明るさの変化は,地球からの距離の変化であることを,「目の前にある事実として」本気で追求したのです。
もし天体が「現実の物体」であるなら,太陽系の構造は,位置と距離が同時に矛盾なく説明できるものであるはずです。当時の天動説では位置の変化を正確に計算できるモデルにすると,距離の変化に矛盾をきたしていました。その矛盾を見逃さなかったのが,コペルニクスの偉さなのです。(板倉聖宣,「天動説と地動説の歴史的発展の論理構造の分析」,『科学と方法 科学的認識の成立条件』,季節社,1969)より。
春に見たときより何倍も明るくなりました。アンタレスや土星よりも,はるかに強い光を放っています。火星の大接近はやはり,いつもの火星とは全く違います。
望遠レンズでも星雲を狙ってみました。
2018/07/14 22:15:17
PENTAX DA*200mm,F2.8(F3.2)
ISO1600,120秒。
光害カットフィルターIDAS LPS-P2。
ISO3200,240秒。
私たちは金山ヒュッテに泊まりました。星だけでなく温泉も楽しめました。また季節を変えて,訪れたい場所でした。
硫黄泉の白濁した湯です。
硫化水素と反応して金属は真っ黒です。
乗鞍岳はまだ雪が残っていました。
今回の観測地です。
- 乗鞍高原