テチス湖のストロマトライト
Tag: カバの旅 オーストラリア 西オーストラリア州 テチス湖 ストロマトライト Lake Thetis K1Ⅱ
パースを離れて北へ出発。町を離れればそこはもう野生の世界です。
まっすぐな道の所々にこんな看板が立てられています。
パースから200kmほど上がったところで休憩。
目的はこれです。
ここは現生ストロマトライトが見られる数少ない場所です。
ストロマトライトとはシアノバクテリアによって作られた岩石です。シアノバクテリアは今から30億年ほど前に、地球で初めて二酸化炭素から酸素を作り出すことで生きた生物。光合成の始まりです。
それまで二酸化炭素が主成分で酸素がほとんど無かった地球大気に、このときから少しずつ酸素が増え始めました。それまでの地球は酸素を使わないで生きる微生物「嫌気性細菌」が占める世界。そこに酸素が作られたことで、生物の大量絶滅が起こりました。代わって生物界を席巻したのがシアノバクテリア。そのころにはこのような群落が世界中の海中に拡がり、今では多くの化石となって残っています。
シアノバクテリアは今でも普通にいますが、捕食者や競争相手の多い現代ではこのような群落を作ることはありません。
西オーストラリアでは塩分が濃い限られた場所に30億年前のような群落を作っています。テチス湖はその貴重な一つです。
2024年8月3日12時15分。
見た目はただのこんもりした岩のようですが、これが今の地球につながる大革命を起こしたと思うと感慨深いです。
カバは子どものころにNHKの「地球大紀行」という番組を見て感激し、いつか見たいと思ってました。ようやくその夢が叶いました。