東海村J-PARC一般公開

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10月1日に茨城県東海村の「J-PARC施設公開2023」に行きました。ここは向かいにある原子力科学館に仕事で行った時に、外から眺めるだけでしたが、ついに内部に。
J-PARCとは大強度陽子加速器施設(KEK)と日本原子力研究開発機構(JAEA)が共同で作った施設の総称です。原子力研究施設として普段は厳重に出入りがチェックされていますが、今日だけは見学エリアが設定されています。

私のお目当ては、世界最高クラス強度の陽子ビームを作る加速器。

常磐線東海駅前で写真付き身分証明書を提示して受付を済ませるとシャトルバスで施設に向かいます。
外部の撮影は禁止で内部の許可エリアのみ写真撮影できます。
さっそく、陽子加速器の主リングの中に。
J-PARC
この加速リングは全周約1.6kmの輪になっています。

陽子を加速したり進路を曲げたりするための太い電線をまいた電磁石が見えます。推測では青い方では上向きの磁力線を作り、右から飛んできた陽子をリングの内側に曲げ、黄色い方で上下左右の磁力線の強さを調節して、陽子をパイプの中心に位置させるということでしょう。
J-PARC

模型のように陽子が走るパイプの周りにコイルがあります。コイルに大電流を流して、強い磁力を作ってプラスの電気を持った陽子に力を加える仕組みです。
J-PARC

J-PARC

J-PARC

陽子が飛ぶパイプの中は高度な真空にしておかないと、空気の原子と衝突して止められてしまいます。これはパイプの中を真空にする装置。1兆分の1気圧の真空にできるということです。
それでも膨大な数の原子・分子が残る計算です。たとえば高校の化学レベルの計算すると、0℃、1気圧の空気22.4L には1モルの空気の分子があります。1molとは約1億×1億×1億(ゼロが24個)個。これが1兆分の1(ゼロ12個)に減ったとしても、まだ1億×1万(ゼロ12個)個の空気分子が残っています。
宇宙空間の真空は平均で1立方センチあたり原子1個だそうなので、同じ体積で比べると、22.4L=2万2400立方センチから、2万個あまりということになります。宇宙空間に迫る真空を作るのは大変な事ですね。
J-PARC

奥までリングが続いています。
J-PARC

陽子を加速したり進路を曲げるには強い磁力が必要なので、コイルに大電流を流すために太い銅線を使っています。
J-PARC

陽子が飛ぶパイプの中はピカピカです。
J-PARC

見学に来た子どもたちのための遊びですね~。
J-PARC

今はこの辺。1.6kmもあるので公開エリアはほんの一部。
この輪の中を陽子がぐるぐる回って最高で光速の99.95%まで加速できます。原子より小さな陽子ですが、相対性理論から「光速に近づくほど物体の質量は無限大に近づく」ので、このスピードの陽子はずっしり重くなります。なので曲げるのも加速するのも大きな力が必要です。
J-PARC

これは陽子加速装置。陽子の通過タイミングに合わせて磁力をかけます。だんだんスピードが上がって、質量も重くなるので、タイミングと必要な力の大きさは刻々と変わり、精密な同期技術が必要。
J-PARC
加速された陽子は標的になる原子にぶつけられて、壊れた原子のカケラを調べることで、原子より小さな素粒子の世界を観察します。

続いて見学したのは素粒子の一つであるニュートリノ検出器です。
検出器が深さ33.5mの地下にあります。
J-PARC
加速器で作ったニュートリノは、J-PARCから295km離れた岐阜県神岡町にある「スーパーカミオカンデ」で観測されるそうです。

素粒子研究者の多田将先生が解説で熱弁を振るってました。
J-PARC

一般公開ということで休憩エリアにはキッチンカーが何台かありました。私たちはケバブで一息。
J-PARC

こともたちのための科学実験コーナーもあります。
J-PARC

とても広い敷地に施設が散在していますので、今回はここまでにしました。
お客さんたちを見ていると、ここで働いている人たちのためのファミリーデーみたいな雰囲気もありました。


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