三朝温泉と人形峠~ラジウム温泉とウラン鉱山
今回の旅の動機は「放射線が強いっていわれている場所」では、実際のところどれぐらいなのかな?という興味からでした。まずは「人が住んでる場所ではどれぐらいまであるのか」ということで、ラジウム温泉として有名な
今回訪れた場所はここです。
・三朝温泉河原風呂……日本有数のラジウム温泉です。
・妖精の森ガラス美術館……ウラン硝子の展示と販売があります。
・ウラン鉱床発見の碑……人形峠手前にあるウラン鉱床発見地。地面の放射線はやや強めです。
・ウラン鉱山……日本原子力研究開発機構の施設。鉱山見学地。
・アトムサイエンス館……人形峠の鉱石があります。鉱山見学受け付けはここで。
ここは鳥取県のラジウム温泉,
2011/08/01 8:05
RICHO CX4
なぜか河原の湯にカバが。
ここはホットスポットです。早速はかるくんでガンマ線測定。
ふむふむ,だいたい0.1μSv/hは超えます。
わき出し口は,もうちょっと高めの放射線。さすが由緒正しいラジウム温泉。
ここのお湯はとても熱いんです。ゆっくり入浴は無理かなって感じ。
わき出し口から離れたところは,少し湯温も下がって,ゆっくり入れます。
三朝温泉は高温で有名でもあるんです。
この河原の湯は24時間いつでも入れます。ただし周りからは丸見えなので、観光客が多いときは、それなりの覚悟も(笑)。水着はだめですがタオルはOKとか。でもねえ、水着もOK(着なくても自由)にした方が、外国人も含めてもっと多くの人に親しみやすくなるんじゃないかなという気もしました。温泉は入ってもらってなんぼだと思います。
今回泊まった温泉宿は「いわゆ」という旅館。
ここの線量も測定。
泊まった夜なので暗いです。やっぱりそれなりの放射線を観測。水で薄めてあるので,入れます。源泉そのままだとたぶん,浸かれません。
翌朝の散歩。由緒正しい温泉街という風情。月曜の朝なので観光客はいませんでした。
川沿いの温泉街です。昨夜はカジカガエルが鳴いていましたよ。自然豊かな川です。
キュリー広場です。ラジウム発見をたたえてキュリー祭りも行われますよ。
一般的な屋外より2倍ほどの放射線ですね。
三朝温泉は,あちこちにホットスポットがあります。
いい温泉街でした。
そして,三朝を後にして,近くの人形峠へ。ここは,日本で唯一,ウラン鉱山があった場所。この地方はウランが多いから,ラジウム温泉も多いというわけです。
これが鉱脈発見の地。
ここの地面の放射線は高いですね。さすがウラン地帯。
ここには,原子力関連施設があり,立ち入り制限があります。科学館では人形石というウラン鉱石を展示しています。
展示ケース内で距離があるけど,かなりの線量を記録。いい鉱石のようです。
坑道内の見学は予約制。11時と14時の2回あります。原子力関連施設内にあるので,身分証明書が必要です。施設の撮影も禁止です。
施設の建物を見学しながら、坑道の方へバスで行きます。今日の見学者は我々のみ。
坑道入り口に接近で,早くも線量が上昇。
そしてこれが坑道内。紫外線で壁のウラン鉱石が蛍光を発して,星のようです。
ウラン鉱山なので放射線は今回の最高値。4.9μSv/h。年間だと50mSvほどになります。2年で100mSv超えてしまいます。
時間あたりでは国際線に乗ったときと同じぐらい。
飛行機で成層圏を飛ぶと,これぐらいは普通に行ってしまいます。飛行機は断続的なので影響が少ないのでしょう。
見学のときは,若い女性職員のガイドでした。今回が初めての解説とか。
それで,「放射線を見たくない人は,坑内に入らないで下さい」と何度も強調。マニュアル通りに読んでるだけなんだけど,「放射線が見えるなら,ぜひ見たいものだ」と思ったのでした。
注意:放射線は目に見えません。
帰りに妖精の森ガラス美術館でウラン硝子を購入。現在はいろんな規制があって、ウラン取り扱い量に制限があるので、ウラン硝子は少量しか生産できないのですが、ぜひもっと自由に作れるようにしてほしいですね。ショップには安価なものもあるので、手軽にウラン硝子を買うことができます。
美術館には19世紀のウラン硝子作品がたくさん展示されていましたよ。これは芸術品です。
購入するときは、紫外線ランプを持って行くと、ウラン硝子をより楽しめますよ。
放射線を楽しむ本(Amazonのリンクです。)
コメント
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初コメです。
確かに放射線は目に見えませんね(笑)
50mSvはなかなか高いですね!!
この数値だったらどのくらいの時間、浴び続けても問題が無いのでしょうか?
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モカさん こんにちは。
国際線の乗務員はこのレベルで、もっと長時間過ごしているのに健康問題が無いので、大丈夫なレベルでしょう。
何年も住めば100ミリ超えて、生活習慣リスクを超えてきますが、今回は数分なのでなんとも無いレベルです。
坑内は換気が強力にされていたので、ウランから出るラドンは低く抑えています。
こういうことがわからなかったころは、鉱山労働者のラドン吸入被爆で肺がんが問題になっていました。鉱石を掘るときの粉塵吸入での被爆もあったでしょうね。
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ガイドのお姉さんが言っていたのは見学時間でレントゲン撮影の被曝量と同じって言ってましたね。
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苺大福さん
次はコネを使おうかな。もう少し長く見ていたい。
玄武洞へ行くついでにでも(笑)。
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使えるものはなんでも使いましょう。 玄武洞も行きたいです。
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福島第一近辺の警戒区域と、三朝温泉とを比較すると、どっちが危険なんでしょうか?
三朝エリアに住んでいる住民は、長期にわたって低線量被曝を続けていると思いますが。
数字だけ見た限りでは、どちらもホットスポットですね。
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ここで霧箱をやりたい
うみほしさん、
この時はあの霧箱の存在を知らなかったときですよね。
ガイドのお姉さんが「放射線を見たくない人は・・・」って言っていたけど
今ならしっかりみられますよね。
是非ともコネを使ってここで霧箱やりたいよ~!
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Re: ここで霧箱をやりたい
>>8
苺大福さん
ここで霧箱を見てもラジウム温泉とそう変わらないんじゃなかと予想してます。
まず線量計の値はガンマ線であること。これは霧箱では見えません。
ウラン鉱石の出すアルファ線やβ線は飛距離が短いので、霧箱まで届かないでしょう。
また通常の霧箱で見えるβ線は多くが宇宙線なので、坑道内では遮蔽されるでしょう。
残る可能性はラドンのアルファ線ですが、これも強力な換気で、あまり期待できないでしょう。
以上の理由で、坑内では霧箱に見える飛跡は案外少ないんじゃないかと予想してます。
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Re:
>>6 通りすがりさん。
ブログ変換の時返事が消えてしまったようなので,もう一度書きます。
三朝も,福島も出ている放射線には区別がありません。だから線量が同じなら同じ影響のはずです。そしてこのぐらいの被曝でどうなるかは,すでに何百年?もの自然の実験で結果が出ています。温泉街で何ともないなら福島でも同じです。福島だけをことさら差別するのに反対するのは,自然の実験結果に反するからです。
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人形峠ウラン鉱石
人形峠のウラン鉱石 10センチ位のが 実家にあるのですが 体に害は無いのでしょうか?
両親が 80才過ぎで二人で暮らしているので 実家の大掃除をしていたら
紙の箱に 色々な石が 紙袋に入ってまして
人形峠ウラン鉱と書いてあるものがあります
どうしたものかと思ってます
よろしければ教えて下さい
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ほとんどの場合大丈夫でしょう。
川原孫さま
ご心配でしょうけど、ご両親が80歳まで健康に暮らしてきたのなら、それが証明になっていると思います。
ウラン鉱石といっても、鉱石は肌身離さず桃っているならともかく、家にあるだけなら問題になる線量にはならないはずです。我が家もいろんな鉱石がありますが、離してしまってあるけなら、室内の線量は通常と変わりありません。
といってもそちらがお持ちの石がどの程度なのかは測定してみなければなんとも言えません。
もし不要、あるいは処分にお困りでしたら、私の方で引き取ってもかまいません。教材や研究用に使わせていただきます。
その場合はトップページか一番下のフッターにある「お問い合わせ」からメールで詳細をお知らせください。折り返しお返事いたします。
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Re: ほとんどの場合大丈夫でしょう。
うみほし様
お返事ありがとうございます
母方の祖父が 日本発送電 中部電力に勤めてました
ダムを作ったり 電気を売ったり?してたらしいです
その関係か 祖父の家には たくさん石が有りました
私が小学校で 地質研究会に入った時に 祖父から色々な石をもらいました
その一部だと思います
40年前から実家に有ることになります
害があるかどうかの測定は どこでできるのでしょうか?
たびたびすみませんよろしければ教えて下さい
名古屋に住んでおります
(1週間不在にしますスミマセン)
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たとえばここに問い合わせてみてはいかがでしょう
私は自分の測定器を持っていますが、もし他機関に依頼したいなら、
日本作業環境測定協会
http://www.jawe.or.jp/
に問い合わせてみれば近くの測定機関や会社を教えてくれるかもしれません。
ただ、一般の石で危険なほどの放射線が出るようなものは、まず無いですよ。
精製したウランやトリウムでもない限り、レントゲンほどの強さも無い場合がほとんどです。
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Re: たとえばここに問い合わせてみてはいかがでしょう
うみほし様
大変よく分かりました。
色々ありがとうございました。
川原孫