Tag: 有袋類 カンガルー

カンガルーにへそはあるか

 皆さんのおなかにはへそがありますよね?
 そもそも、へそって何でしょうか?
 それは私たちが胎盤とつながっていた跡なのです。
 有胎盤類では長い間胎盤と胎児がつながっていて、大きく育ってから生まれてきます。そのつながりを作っているのが「へその緒」。そして生まれた後も、そのへその緒がつながっていた痕跡が「へそ」として残るわけです。
 
 これは猫の赤ちゃんです。立派なへその緒がありますね。
猫のへその緒

 そしておっぱいを飲んで育つのが「哺乳類」の特徴ですね。
猫の親子

 有胎盤類はそういうわけで、大人になっても「へその緒の跡」が残るわけです。

 これはセイウチのへそ。南知多ビーチランドで撮影。
セイウチ

 
 これはイヌのへそ。
イヌのへそ

 
 この雌イヌのおなかです。
イヌ

 
 対して、有袋類はどうでしょう。
カンガルー赤ちゃん

 このカンガルーの赤ちゃんはたった2㎝。1gしかありません。胎盤が発達しない有袋類では超未熟児で生まれてきます。
 そのときへその緒があるのですが、それは有胎盤類のような立派なものではなく、2cmの赤ちゃんに付いた細い糸のようなものでしかありません。2cmの赤ちゃんが大人になるころには、そのへその緒の痕跡は、跡形もなく消えてしまいます。だから、有袋類にはへそは残らないのです。

メスカンガルー
 この写真でへそのように見えるものは、「育児袋の入口」です。足の間の突起には泌尿生殖口と肛門が集まっています。

 有袋類にはへそがないというのは、私たち有胎盤類との生まれ方の違いを表しているわけです。

 これからもいろんな哺乳類のへその写真を撮ってみたいなあと思っています。
 でも、動物園で眺めていても、なかなかおなかを見せてくれないんですよねえ。。。。