5円玉の穴から月と太陽を見る

Tag: 月 太陽 見かけの大きさ

2026年は9月25日が中秋の名月ですが、天文学的な満月の日は9月27日です。どちらにしても今は秋のお月見シーズンですね。
しかし、今年は8月から晴れる日が少なく、秋晴れとはほど遠い雨や曇りが続いています。
そんな天候不順の中で、久しぶりにきれいな晴天がありました。
そこで科学教育(仮説実験授業研究会)の研究仲間の友人から依頼された写真を撮りました。
 撮影テーマの一つ目は「月や太陽の見かけの大きさ」です。
 太陽は巨大な恒星で、月は小さな衛星ですが、たまたま地球から見た見かけの大きさは同じに見えます。だからこそ皆既日食では太陽と月がぴったり重なるわけですね。
 もうひとつのテーマは「地平線に近いときの月や太陽は大きく見える」という現象です。天体の大きさが見える位置によって大きく変わるなんて事は無いのですが、人間の目には地平線に近い朝日や夕日などは、空のてっぺんに見える時より大きく見えるというのは、経験した人が多いのではないでしょうか。それは「脳がそのように判断している」としか考えられませんが、詳しい原因は今でもわからない部分があるようです。

太陽を5円玉の穴と比べる

 「太陽の見かけの大きさが5円玉の穴と同じぐらいだ」という話は私が子どものころの何十年か前に聞いた記憶なのですが、だれが最初に気づいたかは私にはわかりませんでした。
 そこでAIに質問してみましたが、やはり「特定されていない」ということでプライオリティは確認できませんでした。今の穴あき5円玉は1949年から発行されているので、戦後の理科教育の中で広まったのかもしれません。
 国立天文台の記事によると「五円玉を手にもって腕をいっぱいに伸ばし、穴から月を覗くようにして見ると、月がどの高さにある時でも、ちょうど穴の大きさにすっぽりおさまるぐらいに見える」とあります。
 大人の腕の長さで5円玉の穴を見ると、視野の直径が0.5度になり、これが太陽と月の見かけの直径と同じになるということが根拠になります。

太陽と5円玉の実験結果

 では、私の撮影方法と結果をお見せします。
 手持ちで5円玉を持って撮影するのは難しいので、5円玉とカメラのセンサーとの距離を50cmになるようにセットしました。5円玉は太陽観察用の黒いプラスチック板にセロテープで貼り付けました。
 太陽を直接肉眼で見るのは非常に危険です。5円玉を持って直接太陽を見ようとするのは絶対やめてくださいね。
太陽撮影方法
 この太陽観察フィルターはA4版ぐらいの大きさがあるので、太陽にねらいを付ける時に肉眼で太陽を直接見ないように安全確保ができます。あとは適当にあり合わせの道具でセットしました。

では、撮影結果です。
五円玉と太陽
 5円玉の穴に太陽がすっぽり入りました。

手持ちでも挑戦してみました。カメラ用の太陽フィルター(10万分の1に光を弱める)に5円玉を貼り付けて、スマホで撮影しました。
太陽をフィルターに入れます。
手持ち太陽撮影1

これを5円玉の穴に移動すると、こうなります。やはり穴と同じぐらいの大きさですね。
手持ち太陽撮影2
 手持ちでも見るだけなら簡単ですが、カメラのねらいを付けるのはかなり大変でした。腕が2本では足りない感じ。

月を5円玉で見る

 次に月を撮影します。中秋の名月をねらいたいところですが、天気予報では相変わらす晴れ間はほとんど期待できません。晴れているときがワンチャンスと思って、太陽のついでに撮影です。この日の月齢は6で、半月よりちょっと前という形です。
 これがセッティング。レンズ保護用の透明ガラスフィルターに5円玉を貼り付けました。
月撮影方法

カメラの視野全体はこのようになります。
月の撮影方法テスト
まだ空が明るいので昼間見える月は白く薄く見えます。

夕方の空。
五円玉と月_夕方

日没後暗くなったときの様子。
五円玉と月_日没後
2026:09:17 18:04:44
PENTAX K-3 Mark III
37mm F22 1/60 ISO3200

月齢11の月も5円玉の穴で眺めました。
月齢11と5円玉
2026:09:23 18:10:30

月齢20の朝の青空の中の月。
月齢20昼間と五円
2026:10:02 08:31:28

太陽と同じく月も穴にすっぽり入る大きさです。

地平線に近い月

 次に月が沈みつつあるときの写真です。
 地平線に近い月は果たして大きくなるのかという実験。
地面に近いときの月

さて、この月を5円玉の穴と比べてみます。手持ちでスマホ撮影です。
地面に近いときの月を5円で見る

 大きさは5円玉の穴程度で昼間見た月と違いはありません。
月の大きさがどう見えるかは、人間の方に原因があるということですね。月は空のどこに見えても、地球からの距離は同じなので見かけの大きさが変わることはありません(*)。

注
(*)月が地球を回る軌道はわずかに楕円なので、月は地球に近いときと遠いときがあります。それでも肉眼で5円玉の穴と比べたとき、大きさの変化がわかるほどにはなりません。

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