立春の卵

Tag: 科学教育 中谷宇吉郎 立春 卵立て 立春の卵

今日は立春です。よく天気予報のコメントで「暦の上では春ですが寒さが厳しいです」と聞きますが、これは「立春」の意味を取り違えていると思います。
立春とは寒が終わり「春の気が立つ日」です。
古代の人はこの頃を「これ以上寒くならない、春が始まる」ととらえていたのでしょう。つまり「これ以上寒くはならない」から「春の気が立つ」のです。
これ以上寒くならない=今が寒さの底ということなのですから、立春が寒いのは当然のことです。
冬至から随分すぎて気がつけば太陽の光は確実に強くなったなと感じます。冬の終わりが見えた日、それが立春です。ここから1ヶ月半ほどで春分。春はそこまで来ています。

立春と言えば「立春の卵は立つ」という逸話も有名です。私も挑戦してみました。

久しぶりにやってみたところ30秒ほどで立ちました。

3個にも挑戦。

「卵というものは立つものなのである」ということを始めて言ったのは、中谷宇吉郎(なかやうきちろう)(1900-1962)です。中谷は雪の結晶を人工的に作ることに世界で初めて成功し、「雪は天からの手紙である」という言葉が有名です。
中谷の「立春の卵」という文章は今ならここで全文読めます。
中谷宇吉郎「立春の卵」(1947年)

皆さんも卵立て挑戦してみませんか。立つのが当たり前と思わないと人間はやってみようとも思わないものです。
コツは「立ちやすい卵を選ぶこと」。1パックの中には立ちやすい卵が必ずあるので、30秒ぐらい試みてだめだったら別の卵に変えてみることです。一回立ててしまえば次々に成功します。
私が授業で見せるときには、あらかじめ立ちやすい卵を選んで演示していました。いくら卵は立つ物といっても、あまり時間がかかると生徒たちも飽きてしまいます。
立春をきっかけに卵で楽しんでみて下さい。

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