SETI@homeが終わった

Tag: SETI@home BOINC

2020年3月31日にSETI@homeが終わりました。
SETI@home(セティアットホーム)とは,インターネット接続されたコンピュータ群を使うボランティア・コンピューティングプロジェクトの一つです。

スクリーンセーバーとして動作して,家庭用のPCが仕事に使われていないアイドリングの時間を割り当てて,計算するボランティアです。多数のコンピュータで分散処理することで,全体の処理能力をスーパーコンピュータ並みに高めようというプロジェクトです。
 現在はいろんな計算プロジェクトが動いていますが,その中でも最も古いものの一つ,SETIが終わりました。

 このプロジェクトはアメリカ合衆国のカリフォルニア大学バークレー校 Space Sciences Laboratory が運営していました。SETIとは "Search for Extra-Terrestrial Intelligence"(地球外知的生命体探査)の略です。私は1999年5月17日に一般公開されて以降,ずっと参加してきました。
SETI@home
(SETI@HOME is licensed under the GPL)

PCがスクリーンセーバーになるとこの画面が表示され,計算の経過が分かるようになっています。見慣れたこの画面ともお別れです。

このプロジェクトの目的は2つでした。
1.地球外知的生命体の証拠を検出するため、観測データの分析をサポートすることで、有益な科学的作業を行う。

2.「ボランティア・コンピューティング」という概念の実現性と実用性を証明する。

2の目的は達成されましたが,知的生命体の証拠はついに見つかりませんでした。
私もいつか宇宙人の信号を....と思っていましたが,いつもランダムな信号ばかりで,ついにかなわず終わりました。この計算の元データはアレシボ天文台(映画「コンタクト」の舞台にもなっている)の巨大電波望遠鏡のデータが使われてきましたが,アメリカが予算を出さないとか,資金難になっているそうです。
代わりに中国の巨大電波望遠鏡望遠鏡が探査に乗り出すそうです。

SETIは終わりましたが,現在はBOINCとして,多くの計算プロジェクトがあります。興味のある方は,
https://boinc.berkeley.edu/
にアクセスしてみてください。

現在はSETIに代わって「タンパク質の構造計算」のボランティア(Rosetta@home)に参加してます。
Rosetta@home

我が家では,緊急地震速報受信(何しろ東海地震の想定震源域に住んでいるので)のために在宅中はPCを起動しっぱなしにしているので,こういう計算ボランティアは資源の有効活用になります。

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