エチオピアでコーヒーセレモニーとルーシーに会う

Tag: K1Ⅱ エチオピア コーヒーセレモニー インジェラ テフ ルーシー

アフリカ旅行の最後はタンザニアからエチオピアに移動です。
しかし,ここで問題が。ダルエスサラームの空港に着いて,出発便の表示を見ても私たちの乗る飛行機がないのです!
 エチオピア航空の人に聞いても「まだ時間が早いから」と何でも無いような返事しかかえってきません。やがてエチオピア航空のカウンターが開いたので,とりあえずチェックインに向かいました。
 しかし,受付の女性からは「今日は飛ばないので明日来て下さい」という耳を疑うような返事が。
 私たちは今日の便で,アジスアベバで待っているガイドさんと合流予定でした。その後の日本への乗り継ぎもあります。
「今日行かないと困るんだよ!」「向こうで待ってる人がいるんだよ」と英語とスワヒリ語で猛抗議。「次のこの飛行機に変えられないの?」と要求。困ったような受付の女性は,偉い人に話しに行きました。すると,予定より1時間遅れの別の便に振り替えてくれました。そして乗り継ぎを待つ間のホテル付きのバウチャーを発行。
 少し遅れましたが無事にタンザニアを飛び立つことができました。

夜明けが近い時刻。タンザニアを飛び立ちました。月が輝いています。

というわけで,2時間ほどのフライトで無事にアジスアベバ空港に到着。しかし飛行機を降りてもなかなかバスがやってきません。飛行場の上で待つ人々。なんかここは段取り悪いです。

ここは有料のビザが必要なのですが,私たちは乗り継ぎということで,ビザ代も払わずに何事も無く通してくれました。
空港から出てガイドさんに「着きました」と電話して無事に合流。成田行きは夜遅いので,1日観光に出掛けました。ガイドさんは日本語ができる人を頼みました。

最初のリクエストは「景色の良いところ」ということで,山の上にあるEntoto Maryam Churchへ向かいました。
 人も車もたくさんで,狭い道はごった返しています。ガイドさんによると,アジスアベバは古い車が大量に走っていて大気汚染がひどいということです。私たちもこっちへ来てからどうものどの調子が良くありません。カバさんは咳が出ています。

山をどんどん登っていきます。ここではロバが活躍して薪運び。

エントット山頂の教会に着きました。エチオピアは国全体が高原です。ここはカメラのGPSによれば標高2979m。私の生涯でもっとも高い場所に来ました。空気が薄いのでゆっくり歩きます。

2019/08/17 10:17:10
PENTAX K-1 Mark II
DFA 28-105mm

私たちには薄い空気でも,子どもたちは元気です。

これは昔の王様の家です。だいぶ屋根が傷んでましたが,中は広くて,宮殿という感じでした。エチオピアでは偉い人は高い場所に住むのだそうです。

山の見晴らしの良いところには若者が集まっていました。あいにくエチオピアは雨期で曇っていたのが残念。アジスは北緯9度と赤道に近いのですが,標高が高いのでとても涼しいです。

タンザニアよりも貧しい感じの町並みでしたが,やはり21世紀。スマホと衛星放送は普及してます。どんなにボロボロの家でもパラボラアンテナが付いていました。
かつでは軍事政権で写真撮影も制限があったのですが,今では誰でもスマホのカメラを持ってる状態なので,規制はほとんど消えたそうです。

山を下りてカフェに来ました。昼食を兼ねてエチオピアのコーヒーセレモニーを体験するためです。

ご飯はエチオピア料理のインジェラ。テフという穀物を粉にして焼いたものです。発酵させてあるので酸味があります。これにいろんな具を乗せて,手でちぎって食べます。

町中のこのカフェでも標高2379m。富士山五合目ほどの高さです。

インジェラは以前,カナダのイエローナイフのエチオピア料理店で食べたことがあります。その記事はこちら

これがコーヒーの道具です。この店のコーヒー係の人がどんどんコーヒーを入れて出していました。

エチオピアはコーヒー発祥の地と言われている場所です。どこの家でもコーヒーの道具があって,日常に溶け込んでいます。
日本の茶道が特別なもので,一般生活とはかけ離れてしまっているのとは違います。
私たちはお店に頼んで別料金でセレモニーをやってもらいました。

まず,コーヒー豆をお湯で洗います。

豆を炭のコンロで煎ります。

良い色になってきました。

お客さんに「これでいいですか」と見せます。

そして豆の香りを味わってもらいます。

続いてお菓子を作ります。トウモロコシがアメリカ大陸から伝わって,今ではポップコーンが主流です。

お茶菓子をどうぞ,ということですね。

床に敷いてある青草は市場でもたくさん売られていました。それだけセレモニーが普及しているということですね。

そして乳香を炊いて香りを添えます。

ポップコーンを食べてもらっている間に,煎った豆をすりつぶします。

そしてポットのお湯に入れます。

火を強めて煮立てます。

火から下ろしてしばらくポットを傾けて置き,コーヒーの粉を沈殿させたら,1煎目ができあがりです。

1煎目は濃厚なコーヒーです。ほどよい苦みと香りがとても良いです。私は好きな味。

香草を添えて,香りも味わいます。

この香草はお店の花壇にも生えていました。

この香草はこんな花が咲きます。ガイドさんが探してくれました。
ミカン科の(Ruta chalepensis)柑橘系の香りのするハーブということです。エチオピアでは多くの家庭で栽培されているそうです。

ポットにお湯をもう一回足して乳香を炊いて2煎目です。

少し薄くなって,軽い感じになりました。

これを3煎目まで繰り返します。3煎目はインスタントコーヒーのちょっと薄いものという感じになります。このあたりは台湾でティーセレモニーを体験したとき,2煎味わったのと似ています。
今回はセレモニーのフルバージョンで味わいました。

インジェラもいっぱい食べておなかもいっぱいになり,次に行ったのは国立博物館です。

ここには人類の祖先,アウストラロピテクス・アファレンシスの全身骨格ルーシーのレプリカが展示されています。アファレンシスは390~290万年前に生息していました。ルーシーは1974年にアファレンシスの初めての全身骨格として発見されました。
エチオピアは古い人類化石が多く発見されていて,人類発祥の地と言われています。

これがルーシーと呼ばれる化石。二足歩行の種としては最も原始的なものの一つとされています。

ホモ・サピエンスと比べると小柄です。

骨盤の進化模型。二足歩行になるにつれて平たくなっていきます。ルーシーが二足歩行と断定されたのは骨盤の形です。

これは王様の椅子。今は社会主義政権の独裁も終わって,ようやく経済成長が始まりまだまだこれからの国です。

博物館から出ると激しい雨と雷雨。市場へ行こうと考えていたのですが強い雨なので,ジュース屋へ行くことにしました。

目的はこれです。スプリスというミックスジュース。これは3色ミックス。エチオピアのジュースは濃厚でネクターという感じです。それでこんなことも可能なのです。カバさんは昔4色のを飲んだそうです。

ガイドさんは昔日本に留学したときに,ジュースが水みたいに薄くてびっくりしたそうです。これに比べると日本のは清涼飲料水かな。

町中にある立派な教会。Medhane Alem Cathedral。エチオピア正教の国なのでキリスト教徒が多いです。

この日は天気が悪いので観光は予定より早めに切り上げて,夕方にエチオピア航空が用意したホテルに入りました。ガイドさんともここでお別れ。
 ホテルの窓から見たアジスアベバの町。

ホテルのバスで空港へ行き,今度はトラブルも無く成田行きに乗れました。

成田に着いたのは夜でした。荷物はタンザニアから預けっぱなしでしたが,無事日本に届いてほっとしました。

久しぶりの日本は猛暑でげなんりでした。
タンザニアの爽やかな気候が懐かしいです。

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