K-1アップグレード版・長秒時テスト
我が家のK-1がアップグレードサービスから帰ってきて,K-1マークⅡ相当になりました。基板交換で中身はすっかり新型。貼り替えられた「II」のマークが光ります!
社長直筆署名入りの手紙が入っていました。
すでに多くの記事がネットに上がっていますから,その詳細は割愛し,今回は天体撮影適性を見るために,いつもの長秒時テストを行いました。
長秒時ノイズリダクションはOFFで5分露光し,ヒストグラムでノイズを見ました。
(テスト日:2018年10月12日)
ISO6400でK-1とK-1改の比較。
テスト方法は,カメラのレンズとファインダーから光が入らないようにふさいでから,5分露光します。その撮影画像をヒストグラム表示で確認します。本来は全く光が無いので,ヒストグラムには「何もデータが無い」はずです。しかし現実にはノイズが発生するので,データが存在します。このノイズデータが少ないほど低ノイズだとわかります。グラフの右へ行くほど明るい部分のデータです。
結果を見てみましょう。
暗い方(左)にデータがあるのがわかります。これがノイズです。
今回のアップグレードは,新しいチップの追加で高感度性能が向上ということがうたわれていますが,ISO6400での比較はほとんど違いが分かりませんでした。もともとK-1はノイズが少ないので,あまり変わらないのかもしれません。
K-1改 ISO1600と3200のノイズ
ISO6400でK-1と同等とわかったので,ISO1600と3200の結果を参考に載せておきます。
ISO3200
ISO1600
K-1改の超高感度のノイズ
今回のアップグレードではISO819200の超高感度が使えることが売りになっています。はたしてどの程度の実力なのかをテストです。といっても天体撮影でISO6400を超える超高感度を使うのは,〈構図決めのテスト〉のために短時間露光で星を写したいときです。したがって,5分も露光する場面はまずありません。今回はノイズ増加量を見るため,これまで通り5分露光でのテストを行いました。
ISO12800
ISO51200
ISO819200
最高感度で長時間露光する撮影場面はほとんど無いと思いますが,ISO12800まではもう少し短い露光なら十分使えそうな感じです。
これらの超高感度のヒストグラムを見ると,「緑だけノイズが少ない」ですね。超高感度では緑色のフィルターを付けて撮影すれば,意外に使えるのかもしれません。当然「緑の写真」になりますが,白黒にしてしまえばいいでしょう。
ただ,一つ残念なのは,今回のアップグレードではSDカードのスピード改善が無かったことです。K-1はセンサーが大きくなった分,データ量が増大しています。それなのに書き込み速度が古いSDのままなのです。
これがネックになって,連写すると書き込みが追いつかなくてすぐに撮影速度が大幅ダウンします。皆既日食のダイヤモンドリングなど,どんどん連写したいシーンではこれがかなりのネックでした。実際昨年(2017年8月)のアメリカ皆既日食では,連写を抑制しなくてはならないのがちょっとストレスでした。せっかく高速なSDを使っても,速さは古いままでは,せっかくの性能が生かせません。
ぜひ「次回のアップグレード」では「SDスロット関係のアップグレード」をお願いしたいです!